親から、
「警察の人から電話があった」
「あなたの携帯が止まるって言われた」
「知らない番号だけど出た方がいいのかな?」
と聞かれて、ドキッとした経験はありませんか?
スマホの迷惑電話対策で一番大切なのは、怪しい電話を全部見分けられるようになることではありません。
まず家族で、「知らない番号には、その場で答えを出さない」というルールを決めておくだけでもかなり違います。
電話の相手が、
- 「警察です」
- 「役所です」
- 「携帯会社です」
- 「銀行です」
と言っていても、その電話の中で本人確認・送金・アプリのインストールまで進めないようにします。
まずは次の5つを親と共有しておきましょう。
| 怪しい電話が来たら | すること |
|---|---|
| 知らない番号 | 急いで出なくて大丈夫 |
| 相手が警察・役所・銀行を名乗る | いったん切る |
| お金の話が出る | その場で払わない |
| アプリを入れるよう言われる | 入れない |
| 判断できない | 家族へ一度連絡する |
そしてスマホ側にも、迷惑電話を減らす設定をしておきます。iPhoneとAndroidでは方法が違うので、順番に見ていきましょう。
まず親に伝えたいのは「知らない番号は急いで出なくていい」
親世代では、「電話が鳴ったら出るもの」という感覚が強いことがあります。
でもスマホなら、不在着信を確認して必要なら後からかけ直せます。そのため、知らない番号から電話が来ても、急いで出なくて大丈夫と伝えておきましょう。
特に、+1、+44など、「+」から始まる見慣れない国際電話番号には注意します。日本の国番号は+81ですが、+81と表示されるだけで安全とは判断できません。普段海外から電話がかかってくる予定がないなら、知らない国際電話番号には出ない方が分かりやすいでしょう。
ただし、「+が付いている電話は全部詐欺」と決めつける必要はありません。海外に家族や知人がいる場合や、海外サービスを利用している場合など、必要な電話の可能性もあります。
大切なのは、知らない番号からの電話だけで、お金や個人情報の話を進めないことです。

家族で「電話を切って確認する」をルールにしましょう
怪しい電話を完全に見抜くのは簡単ではありません。最近は相手も、「警察です」「あなた名義の口座が犯罪に使われています」「逮捕状が出ています」など、不安になる言葉を使ってきます。
親へ、「警察って言われても本物かもしれないから切ったらダメ」と思わせないことが大切です。本当に必要な連絡なら、こちらから公式の連絡先を確認してかけ直すことができます。
そこで家族のルールを、知らない相手から大事な話をされたら、一度電話を切るにしておきます。
電話を切ったあと、警察なら警察署の公式番号、銀行なら銀行の公式番号、携帯会社なら契約している会社の公式窓口を自分で調べて確認します。相手から教えられた電話番号へ、そのままかけ直さないようにしてください。
「警察だから安心」はやめておきましょう
特に注意したいのが、警察官を名乗る電話です。「あなたの口座が犯罪に使われています」「あなたも捜査対象になっています」「資産を確認する必要があります」などと言われることがあります。
突然こんな電話が来ても、その場で言われた通りに送金したり、SNSやビデオ通話へ移動したりする必要はありません。
警察を名乗る相手から、
- お金を移すよう言われる
- 資産を提出するよう言われる
- SNSで連絡するよう言われる
- ビデオ通話へ移るよう言われる
- 「誰にも言うな」と言われる
という流れになったら、電話を切ってください。そのあと、自分で調べた警察署の電話番号や警察相談専用電話などから確認できます。「本物だったら怒られるかも」と心配する必要はありません。
iPhoneなら迷惑電話を減らす設定を確認しましょう
iPhoneの設定名称や場所はiOSのバージョンによって変わるため、ここではAppleが現在案内している「設定」→「アプリ」→「電話」を基準に説明します。
不明な発信者をスクリーニング・消音する
「不明な発信者をスクリーニング」では、保存されていない番号への対応を「しない」「通話の理由を尋ねる」「消音」から選べます。「消音」にすると着信音を鳴らさず、留守番電話へ送ります。
病院や役所、宅配業者など、連絡先に登録していない必要な電話が来る家庭では、いきなり「消音」にせず、「通話の理由を尋ねる」や留守番電話の使い方も含めて親と決めてください。
通話フィルタリングで不明な発信者・迷惑電話を整理する
「通話フィルタリング」には、不明な発信者を別リストへ移す機能や、通信事業者が迷惑電話・詐欺の可能性があると識別した着信を消音して留守番電話へ送る「迷惑電話」の設定があります。迷惑電話の判定や利用できる項目は通信事業者などによって異なります。
設定を強くしすぎると必要な電話を見落とすことがあるため、親が普段どこから電話を受けるかを確認してから選びましょう。
iPhoneの文字サイズや基本設定も一緒に見直すなら、親のiPhoneで最初に設定しておきたい7項目も参考にしてください。
Androidは「電話アプリ」に迷惑電話対策があるか確認します
Androidは機種や電話アプリによって表示が違います。Googleの電話アプリを使っている場合は、発信者番号と迷惑電話対策を利用できます。
Googleの電話アプリでは、電話アプリの「その他」→「設定」→「発信者番号 / 迷惑電話」から、「発信者番号とスパムの番号を表示」や「スパムの疑いがある通話をフィルタ」を確認できます。端末やAndroidのバージョンによって利用できる機能や表示は異なります。
この機能を使うと、連絡先に登録していない番号の情報や迷惑電話判定のため、通話に関する情報がGoogleへ送信される場合があります。親に設定する前に、表示内容とプライバシー面も説明しておきましょう。
GalaxyやAQUOSなどは画面が違う場合があります
Androidは、Galaxy、AQUOS、Xperia、OPPO、Xiaomiなどで電話アプリや設定場所が違います。その場合は電話アプリの設定で、「迷惑電話」「スパム」「発信者情報」「着信拒否」などを探してみてください。
Google電話アプリの設定をすべてのAndroidで同じように説明しないことが大切です。分からない場合は、機種名と電話アプリ名を確認してから調べましょう。
Androidの文字サイズやバックアップなども一緒に確認するなら、親のAndroidスマホで最初に設定しておきたい7項目も参考になります。

知らない番号を全部ブロックすればいいわけではありません
病院、役所、宅配会社、修理業者、予約したお店、学校、介護や生活関連サービスなどから、登録していない番号で電話が来る場合があります。
そこで最初は、迷惑電話の警告を利用する → 知らない番号は急いで出ない → 留守番電話や履歴を確認する → 必要なら公式番号を確認してかけ直すくらいが使いやすいでしょう。親本人が電話を使う機会に合わせて調整してください。
「+」から始まる電話番号には少し注意しておきましょう
「+」から始まる番号は国際電話番号です。警察庁は、国際電話番号を利用した特殊詐欺への注意を呼びかけています。海外から必要な電話が来る予定がない家庭なら、「+から始まる知らない番号には出なくていいよ」と伝えておくと分かりやすいです。
ただし、番号の表示だけで安全性は判断できません。知らない相手からお金、暗証番号、アプリのインストールなどを求められたら、一度電話を切ります。
「携帯電話が止まります」と言われても、その場で操作しない
自動音声で、「2時間後に携帯電話が使えなくなります」「未納料金があります」「オペレーターにつなぐ場合は1を押してください」などと流れることがあります。
そのまま番号を押して話を進める必要はありません。契約状況が気になるなら、電話を切ってから、自分で契約している携帯会社の公式アプリやマイページを確認します。名前、住所、生年月日、暗証番号、クレジットカード番号などを電話で伝える必要はありません。
「還付金があります」も電話の中で手続きしない
「医療費が戻ります」「保険料の還付があります」「今日までならATMで受け取れます」などと言われても、そのままATMへ向かわないでください。
本当に役所からの案内なのか気になる場合は、電話を切り、住んでいる自治体の公式サイトや公式の代表電話から確認します。相手が急がせても、その電話の中で判断しないようにしましょう。
遠隔操作アプリを入れるよう言われたら、そこで止める
親のスマホを遠隔サポートするためのアプリそのものが悪いわけではありません。家族が事前に決めて使うなら便利です。
問題なのは、知らない相手から突然「このアプリを入れてください」と言われる場合です。「ウイルスを除去します」「口座を確認します」「こちらからスマホを直します」などと言われて、遠隔操作アプリを入れるよう求められたら、その場で止めてください。正規の遠隔操作アプリが詐欺に悪用されることもあります。
親とは、遠隔操作を許可するのは、家族と事前に話しているときだけというルールにしておくと分かりやすいです。離れて暮らす親のスマホを安全に支援する方法は、離れて暮らす親のスマホを遠隔でサポートする方法で手順を整理しています。
SMSやメッセージに届いたURLも、そのまま開かない
「荷物をお届けしました」「料金が未払いです」「アカウントを確認してください」といったSMSが届くこともあります。
メッセージに書かれたURLから直接ログインするのではなく、宅配なら公式アプリ、銀行なら銀行アプリ、携帯会社なら公式アプリやブックマークから確認する方法を親に伝えておきましょう。「メッセージを見て不安になったら、リンクを押す前に家族へ送って」くらいのルールでも十分です。
親と決めておきたい「5つの家族ルール」
細かな詐欺の手口を全部覚えてもらうのは大変です。それより、次の5つだけ決めておく方が実践しやすいでしょう。
1.知らない番号は急いで出ない
必要なら留守番電話や履歴を見てから判断します。
2.お金の話が出たら一度切る
警察、銀行、役所、携帯会社など、誰を名乗っていても同じです。
3.暗証番号やカード番号を電話で伝えない
本人確認と言われても、その電話では伝えません。
4.知らない相手にアプリを入れさせない
遠隔操作や画面共有も、家族と決めた方法以外では使いません。
5.迷ったら「あとで家族に確認します」と言って切る
相手と議論したり、「あなた詐欺でしょ」と言い返したりする必要もありません。そのまま切って大丈夫です。

親から「今、怪しい電話が来た」と連絡があったら
家族側も慌てなくて大丈夫です。まず次を聞いてください。
- まだ電話はつながっている?
- お金は払った?
- 暗証番号やカード番号を伝えた?
- アプリを入れた?
- 画面共有や遠隔操作を許可した?
- SMSやURLを開いた?
- 相手から何と言われた?
何もしていなければ、電話を切って、必要に応じて番号をブロックするところからで大丈夫です。その後、本物かどうか気になる場合だけ公式窓口へ確認します。
もしカード番号や口座情報を伝えてしまったら
ここは「様子を見る」より早く動いた方がいいです。
クレジットカード情報を伝えた場合は、カード本体や公式サイトからカード会社の紛失・盗難・不正利用窓口を確認します。銀行口座の情報やインターネットバンキング情報を渡した場合は、銀行の公式窓口から利用停止などの手続きを確認してください。
すでに送金してしまった場合も、利用した金融機関へ早めに連絡します。そのうえで警察へ相談します。消費者トラブルの相談先が分からないときは、消費者ホットライン188で最寄りの消費生活相談窓口を案内してもらえます。
遠隔操作を許可してしまった場合
知らない相手に遠隔操作アプリを入れさせられたり、操作を許可してしまった場合は、まず相手との通話を切ります。
そして可能であれば、遠隔操作を終了する、ネット接続を一時的に切る、遠隔操作アプリを確認する、銀行やカードの利用状況を確認する、と進めます。
すでに相手が各種アカウントへアクセスした可能性がある場合は、パスワード変更や金融機関への連絡なども必要になります。どこまで操作されたか分からない場合は、そのまま使い続けず、被害の可能性があるサービスを一つずつ確認してください。
電話番号をブロックするだけで安心してはいけません
迷惑電話をブロックしても、相手が別の電話番号からかけてくることがあります。そのため、特定の番号をブロックすることと、親自身がその場で手続きを進めないルールをセットにしてください。
怪しい電話か迷ったときの確認方法
「本当に警察だったらどうしよう」という場合は、相手へ確認するのではなく、一度電話を切り、自分で公式の連絡先を探して確認するのが基本です。
警察に関する相談なら警察相談専用電話#9110、消費者トラブルであれば消費者ホットライン188などの相談先があります。まずはこの記事内の具体的な確認方法・初動を実行してから、必要に応じて相談してください。
よくある疑問
警察官からスマホに電話がかかってくること自体はありますか?
警察から電話連絡が来ること自体はあります。だから、「警察を名乗った=詐欺」と判断するのではありません。怪しいのは、お金を移す、資産を提出する、SNSへ移る、ビデオ通話で手続きする、秘密にするよう求めるなどの話が続く場合です。不安なら一度切り、警察署の公式番号を自分で調べて確認してください。
知らない番号は全部着信拒否しても大丈夫ですか?
人によります。病院や役所、宅配業者などから連絡先未登録の番号で電話が来る方もいます。まずはスマホの迷惑電話警告やフィルタリングを利用し、知らない番号には急いで出ない方法から始めるとよいでしょう。
+81から始まる番号なら安全ですか?
+81は日本の国番号ですが、それだけで安全とは判断できません。表示される番号だけを見て相手の正体を決めないでください。知らない相手からお金、暗証番号、アプリインストールなどを求められたら、一度電話を切ります。
「この電話を切ると逮捕される」と言われたら?
その言葉に従って電話をつなぎ続ける必要はありません。電話を切り、自分で警察署の公式電話番号を確認して問い合わせてください。
家族が親のスマホを全部管理した方が安全ですか?
全部管理する必要はありません。むしろ、「知らない番号には急いで出ない」「お金の話は一度切る」「分からなければ家族へ連絡」という少数のルールを本人が覚えている方が、普段の生活でも使えます。スマホ側の迷惑電話設定と、家族ルールの両方を使うのが分かりやすいでしょう。
まとめ|詐欺を見抜くより「その場で決めない」ことを覚えてもらいましょう
新しい詐欺の手口は次々に出てきます。そのすべてを親に覚えてもらうのは大変です。
だから、
- 知らない番号は急いで出ない
- お金の話が出たら切る
- 暗証番号を伝えない
- 知らない相手にアプリを入れさせない
- 迷ったら家族へ確認する
この5つを家族のルールにしておきましょう。そしてiPhoneやAndroidの迷惑電話対策も一緒に設定しておきます。
「怪しい電話を100%見分ける」必要はありません。その電話の中で、大事なことを決めない。これだけでも、親のスマホをかなり安全に使いやすくできます。
参考にした公式情報
- Apple|iPhoneで不明な発信者を管理する
- Google|発信者番号と迷惑電話対策の機能を使用する
- 警察庁|みんなでとめよう!!国際電話詐欺
- 警察庁|警察相談専用電話 #9110
- 消費者庁|消費者ホットライン188
- IPA|遠隔操作ソフト(アプリ)を悪用される手口に気をつけて!
親のスマホについて全体を整理したいときは、親のスマホサポートの全体像を確認するも参考にしてください。
